母親の死後を考える

お嬢様育ちの母はお金の使い方も価値も分かっていない。最早過去の遺物となりつつある百貨店の外商を呼びつけ、いまだにあれやこれやを買っている。また毎朝近所の美容院で髪を洗ってもらい、化粧をしてもらう。まあ大変な人である。誇り高く他人の思惑など一切気にせずに常に自分ありきである。まあ育ちやその由緒正しい血筋を考えるとわからぬ訳でもない。そしてまだ元気なのである。周りはそろそろ逝ってくれないかと思っているのだが、なかなかそうはいかないようである。兄貴や自分が元気な内にいろいろ財産を処分、整理をしたいのだが、母が呆けずに生きているので、そうもいかない。例えば軽井沢にある誰も使っていない別荘などもさっさと処分したいのだが、彼女は頑として反対する。いつまでもあちらこちらに土地や家屋など持っていてもしょうがないと思うし、固定資産税の為に、いまだに必死で働いている兄貴が可哀想である。自分は面倒なので財産の相続は一切しないで良いので相続を放棄している、ただ日本に帰ったら兄貴名義のマンションの一室に住まわせてもらうだけで良い。家賃も電気ガス水道WiFi代も兄の負担で更にはコメ肉野菜果物や日用品を手広く商売をやっている本家筋から売り物ながら無償で分けて貰い、近所のレストランやバーも兄貴のツケで飲み食い出来るので、地元に居る限り、何の不満もないというかかなり恵まれた境遇だからである。これだから、そうお金がなくとも今の出稼ぎで不測の事態に備えた現金を用意すれば、あとは暮らして行けると思うのである。自分でやれる事はやり、兄貴に掛ける迷惑を少しでも減らしたい。相続を放棄した自分に兄貴はこずかいもいるかと言うのだが、流石にそこまではして貰うつもりはない。65歳になれば厚生、企業、個人の三階建て年金に株式配当があり、月手取りで✖️0万円はあるので、全部使うことも無さそうである。更に65歳からも働き続ければ、厚生年金は70歳から4割増で貰うという選択もある。それには健康第一であり、酒量が落ちて体調も良いので、今のまま節酒を続けたい。2019年迄は人間ドック前を除きほとんど毎日ワイン、それもブルジョワ級以上のフランスワインを飲んでいたが、今年は今日まで37日はワインを飲み、37日は飲んでいないので飲まない日を増やしていきたい。日本では自分の家族や仕事の事を酒に流されてつい酒場で喋ってしまい、過去出来た彼女が離れてくれなくなった事もあり、日本に帰ったら今度こそは気をつけたいが、相続を放棄したので、まあもう介護の可能性のある爺いの自分などには女性も寄ってこないだろう。女性はいなくともマンションの直ぐ横には主治医もいるし、我が家付の家政婦さんに料理からクリーニングに部屋の掃除も頼めば良いので、老人ホームに入ることもないかと思っている。引退するビルゲイツさんを見ると本当に自分など貧乏どころか底辺も底辺の貧困者だが、自分はこれで十二分に幸せである。人間は自分の上に見えるものと比べてしまうので、何を戯事を言うと怒りを感じる人も多く居ると思うが、人それぞれ境遇や送って来た道すがらも違うので格差や違いがある事を自分に言われてもただのサラリーパーソンである自分としては何ともしょうがないが、自分が貧乏と思うのは他の誰でもない自分の感覚なので仕方がない。自分が仕事をして来た相手は自家用機は普通だったし、自宅は豪邸、執事にコック、給仕、家政婦は当たり前の人達が多くいたので、それが自分の基準となっている。ただ日本では自分の境遇でも一般的にはかなり恵まれているという事になると思うが、相続はしないし、保有不動産もないので財産はなく、事実として貧乏は貧乏であるが、暮らしには困らない幸せ者ではある。後は娘に渡してあるATMカードに現金だけ残すつもりだ。マイナンバーカードは今後も作らず、銀行には死亡しても事実を知らせなければ、✖️千万円くらいなら税務署のマルサも必死になることはないと踏んでいる。暗証番号は自分以外は娘しか知らない、二人だけの秘密であるがカードの存在を覚えていないのか残高に変化はないし、下ろした記録もない、多分忘れているのだろう。まあ暗証番号も忘れていたら仕方がないが、それはそれで娘の人生である。ただ娘にも母の血は流れており、世が世なればなので不憫且つ娘の今日は、お嬢様とは言え、代々の浜庄屋に過ぎない出自の母親と結婚した自分に帰すこと大である。せめて親戚筋である✖️✖️家の彼女と結婚するべきだったと後の祭りの人生の終盤である。まあ自分はこれで十分な人生であるのだが。。。

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