サラリーパーソンの恋

自分の会社しか知らず、狭い世界で生きている普通のサラリーパーソンに過ぎないが、庶民の人生は、会社次第で変わることもあると思う。会社とは不思議な縁があったとしか思えないが、２２歳から定年まで働き、更に６０歳を超えて海外で働くことになり、その上、新たな恋をするなんて全く想像していなかった。それに今迄は、なぜ毎度同じ事を日本女性に言って口説いて来たのか自分でも良くわからないが、口説き落としてしまった女性との関係にいつも苦慮している自分がいた。おそらく病気なのだと思う。１０年近く放っておいて、気まぐれに訪ねて、その晩に男と女の関係になってしまうなんておかしいだろうし、浮気はしていないのに浮気したと言い張り、突然部屋出て行くとか、多分男が出来ただけだろうが、とにかく女性の行動というか想いは良く分からない。ただ金だけが目当ての場合は、こちらも何となくわかって来るので、冷たく対応して別れて来た。身体に溺れてだいぶお金を巻き上げられた事もあるが。しかしながら、今回のように一人の女性をこれだけ愛しく思う事はなかった。初めての感覚なのだ。邪な事も一切考えていない。これは一体何なのだろう。彼女のことを思うと甘酸っぱい切なさで胸が一杯になり、まるで少年時代の自分に帰ったようになる。後輩に言わせるとまたいつもの気の迷いですよと言うのだろうが、今回はかなりマジにやばい、溺れて沈むかもしれない！