ゴーンさん国外逃亡に寄せて/2020年元旦

2020年の幕開けが、保釈中のカルロスゴーンさんの国外逃亡である。古代フェニキアの流れを組む海千山千のレバノン人を甘く見た日本検察の大失態である。現在レバノンは若者を中心に宗教に縛られた国家体制打倒に向け、声を上げ、国全体を巻き込んだデモを繰り返しており、ハリリ首相も退陣して混乱の極みにある。後継首相候補は、指名されているが、組閣の見込みは立っておらず、退陣した内閣の閣僚が暫定的に国家を運営しているが、新たな事は一切出来ない。レバノンはシリア難民百万人余を抱え、四百万の人々が暮らすが、宗教がモザイク模様のように入り乱れた国家であり、なんと国外に暮らし、働く人が12百万人いると言われる。ゴーンさんは、その中でも出色の人物である。日本の検察の狙いが、奈辺にあるのか、よく分からないが、ゴーンさんを甘く見過ぎている。レバノンは宗教対立から国民同士が、ほんの数十年前まで血で地を洗う内戦にあった国である。現在復興中にあるが、首都ベイルートには多くの銃痕が、彼方此方で今も見られる国なのだ。そして国家も破産状態に近い。ベイルートの町は女性ばかりで男の多くは私のように国外に出稼ぎに出ている。だからこそ国家財政は破綻しているが、人々の暮らしが何とかなっているのである。そんな故郷に逃げ込んだゴーンさんを最早追求する事は無理だろう。日本とは外交関係はあっても、在レバノン大使にしたら正式な内閣はレバノンには現在存在しておらず、交渉相手さえいないのだ。検察が現地に入ろうものなら、後ろからズドンとなるだろう。そして犯人は分からない。ヒズボラやらイラン革命防衛隊、イスラエルモサド、ロシア人傭兵、そして勿論CIAに、また各宗派の戦闘部隊と入乱れて微妙なバランスの上に立っている国家なのだ。ただこんな国だけに暗殺は可能だと思うが、日本にそんな腹の据わった人物はいないだろうとゴーンさんに見切られいるのだ。検察よ、男なら立ち上がれ。このまま黙っていたら、日本の恥の上塗りである。元旦の日記が、こんな内容では、誠に情け無い限りなのだが、検察も泣き寝入りはしないと信じている。

f:id:yukizokun1992:20200101053003j:plain