出張の日々

日本を出て17日目、5ヶ国目に到着した。ホテルに入ると先ずシャツと下着を洗濯し、背広の上下をアイロンでプレスする。洗濯は日課になっているが、本来なら下着は常に新しいものを身に付け、シャツはホテルのクリーニングに出すのが、普通だと思うが、非正規サラリーパーソンには、哀しかなそんな余裕はない。流石に毎日仕事で疲れて部屋に帰ってきてからすぐに洗濯では精神的には疲れて来る。今回は自腹の食事も続いており、出張手当では賄えず、赤字であり、気分的にも面白くない。昨晩は有名なクラシックホテルのバーでマイケルの招待で飲んでいたが、気持ちの良いサービスを楽しみつつも、周囲のハイソな雰囲気に毎日洗濯をしなければならない貧乏非正規サラリーパーソンには場違いな気分であった。そもそも自分の周りにいる仲間や同僚は世界標準では貧乏でも年収1千万円以上と同じようなレベルのものばかりであるが、MARCHレベルの大学出身者はいないし、親はキャリア官僚やトップ上場企業の幹部ばかりだ。どうして自分のような才能のないものが、ここにいるのかとずっと違和感を感じている。今は生活出来ないから場違いでも働いているのだが、疲れる日々が続く。早く夏休みを取りたい。帰国は8月になるが、せめてもということでファーストクラスで帰る。今年はだいぶファーストクラスで飛んでいるが、当然にアップグレードである。金持ちは自家用機なので、民間航空機のファーストクラスは大方アップグレードのようだ。この時代、格差がどんどん広がっている。貧乏人の夢がファーストクラスなら、金持ちからすれば、民間航空機などは乗り物ではないのだ。生きている世界が違うし、交わることもない。考えて見れば自分も同じ貧乏レベルのサークルにいて、貧困で苦しんでいる人と交わることはないし、見ることもない。どうも日本も世界の流れと同様に階級社会に移行しているようだ。この流れをいかに断ち切るのか、国民的な喫緊の課題である。

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