出稼ぎ人が現地で恋に落ちた!

2020年1月に入り、出稼ぎの効果が出て来た。これなら年間5百万円、帰る頃には例の老後現金2千万円を達成出来そうな感じであった。が、しかしである。恋に落ちた。人はきっかけがあれば、一瞬で恋に落ちるようである。やはり、遠距離の彼女の事は、思い出す事もだんだんとなくなり、目の前の人しか見えなくなる。赴任して来た頃は、ビル内でたまにすれ違うだけで綺麗な人だなくらいしか思わなかった。ある日エレベーターで一緒になり、Hi!と声をかけられ、驚いて目を上げると微笑んでいる彼女がいた。それから、名前を聞くまで2ヶ月を要した。現地語の家庭教師について勉強を始めて、よーしと彼女を待ち伏せして声をかけ、英語ではなく、現地語で話しかけた。それからである、携帯番号も交換して待ち合わせるようになった。これからどうなるかわからないが、今は彼女しか見えなくなっている。こうなると現地で暮らすことが楽しくなってくるし、出稼ぎでなく、もう日本には帰らなくとも良いという気持ちになっているが、経験上、いつまでも続かないはずなので、どうしようか悩むのである。どんなに好きになっても、自分という人間は動物であり、せいぜい3年くらいしか、この気持ちは持たないだろうと容易に想像できるのである。年を重ねるとは哀しいものなのだ。恋に落ちた自分の横に、やめておけと常に囁くもう一人の自分がいる。家事など一切やらず皺など全くなかった手の平の甲を眺めるにつけ、自分の年齢を意識する。ここで立ち止まるべきなのだというのが常識人の判断であろう。このまま進んで唇を重ねるようになってしまったら、止まらなくなる。出稼ぎ人よ、銀行口座残高だけを見ろ、目指せ老後資金2千万円と念仏のように唱え続けているが、立ち止まることが出来るだろうか?

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