悪魔の囁き

誕生日おめでとうって何?私言い過ぎた、ごめんなさいだと。来たー!お金がなくなると娘から毎度の反省のメッセージが届く。ここは我慢だ、決して甘い顔をしてはならない。今度こそ縁を切るぞ!血は繋がっていても、戸籍上は娘ではないのだから。とは言え自分もいつまで痩せ我慢が続くのか、自信はない。今や世界のどこにいてもネット空間で送金は可能なのだが、出張中は送金出来ないことにしている。ということで当分帰らず、海外に潜むことにしたい。彼女からも、いつ帰るのかと矢の催促だ。男なんて放っておけば帰るのに、やいのやいの言われると帰りたくなくなるものなのだ。それにしても、ここは暑い、42度もある上に湿度が70%なんて、とんでもないところだ。こんな町に高層ビルが立ち並ぶ、さらにそこら中、建設工事だらけなのだ。一体誰が好き好んで住むのだろうか?そんなことは御構いなしに自分も投資を推進している。投下資本の回収が確実で且つ儲かれば良いのだ。それが資本主義なのだから。価値とは貨幣で計るしかないからなのか、本心では顔も見たくないと思っていても、未だに娘も彼女も離れては戻ってくるのだろう。金の切れ目が縁の切れ目とは良く言ったものだ。

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