インド人の出稼ぎ男に感服した!

360兆円の資金を有する国営ファンドの番頭と面談した。インド人で、物凄く頭が切れるし、数字に強い。香港への出稼ぎから湾岸に移って6年半で本来ならワッカの白装束が就くポジションで辣腕を振るっているようである。こちらは一社懸命38年で非正規嘱託社員になり、場数と経験だけはあるが、能力差は歴然としている。まともに勝負しては勝ち目はない。議論していては負け続けるので、常に脇道にそれながら、こちらの言いたいことを念仏のように唱え続けた。理屈も何もない、念仏なのだから。そうすることで本当は何か隠されているのではないかと疑心暗鬼を産んだようで舌鋒が鈍って来たところで、手打ちに出て何とか想定の範囲内で納める事が出来た。毎度ながら冷汗の連続であった。早朝到着でホテルでシャワーを浴びて出発、昼前から交渉開始で、夕刻終了後は、宿泊することなく、再びシャワーだけ浴びて着替えたら、その日の夜中便で帰国であり、空港で搭乗を待つ間、疲れてもはや頭は回転せず朦朧としていた。人間どうして、こうも差があるのか、当たり前の話ながら気分は晴れない。彼など少なくとも基本給だけで5千万円は取っているだろう。こちらは、1千万円は超えているとはいえ、手取りにすれば微々たるもので、贅沢とは無縁の生活である。飛行機内では個室でボルドーグランクリュを飲んでいるとはいえ、こんなの贅沢などと言えるレベルではない、付き合いのあるアラブの部族長の生活を見てしまった自分は自らのみすぼらしさを常に抱え込まざるを得ず誠に持って不幸なのだと思う。ただ自分は見えており、地元では庶民として淡々と生きている。仕事の話は一切しない。いつ引退するか、家人は自分の仕事振りに呆れ果てている。

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