コルクの木

f:id:yukizokun1992:20181215094542j:plain毎晩ワインを頂く。普段はスーパーにあるようなボルドーを家では飲む。居酒屋では銘柄や国は気にしない。週末はブルジョワ級やブルゴーニュとか少し贅沢している。イベントの際にはテラダのワインセーラーに保管しているワインを引き出す。ワインを長く楽しむことが出来るのはワインそのものも当然ながらコルクにある。天然コルクはコルクの木から生まれるが、コルク生産世界一はポルトガルのアモリン家である。コルクの木の生育するポルトガルから北アフリカにかけての広大な地域を押さえている金持ち一家である。アモリン爺さんは、コルク造りだけでなく事業を拡大しており、エネルギーにも進出したことから、ある時出会いの機会が生まれた。商談中、儂のコルク美術館に来いと突然言い出し、会議をしていた首都リスボンからオポルトまで高速で4時間走らされた。爺さんの時代は学校では外国語の授業はフランス語だった由でフランス語で会話した。大陸で仕事をするには語学力としてラテン語系が一つは欲しい。その時、恥ずかしながらコルクの木を初めて見た。良いワインが長命なのはコルクが良いからだ。リスボンにはエネルギー業界伝説の5%の男カルーストグルベンキアンの孫ミカエルグルベンキアンがいる。とにかく傲岸不遜な男で人の話は聞かない上、自分勝手にて何処に行っても浮いてしまう。爺さんにも持論を押し付けようとしていたが、何を言うか若造、儂はただのコルク屋ではないことを分からせてやると雷で爺さんの態度はとても勉強になった。まだ時効ではないと思うので内容は伏せたい。とにかく理不尽勝手な輩には絶対に譲歩しないことだ。当時私はバツイチで指輪をしておらず、爺さんの出戻り長女との食事や散歩のお相手にかり出されていた。本気ではなかったと思うが、ここに残らないかと言われていた。今では良い想い出だ。オポルトは良いところだ、機会があれば是非一度訪ねて欲しい。
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