2019年初出張

席があるのかないのか分からなかったが、結局席はあったようで搭乗前に1Dの席を確保出来た。どうも見た目もそのもののあちら系のおっさんが若い女を連れて旅行に行くのか隣同士にしろ、窓際も良いなとかゴネていたらしく私の席が決まらなかったようだ。やはり金なのだろうなあ、おっさんの隣席に座る女性も。少しく淋しいが、所詮他人だ。搭乗するとすぐにリラックスウェアに着替え、読書をしながら出発を待つ。上空に上がってシートベルトサインが消えると、フライトサービスが始まるが、今年の初フライトはANAの長距離便でクルュッグにキャビアで贅沢にスタートした。今年も何回かお世話になると思うが、ワイン好きの自分としてはソムリエバッチを付けたアテンダントがいると楽しいのだが、ワインリストのワインが何たるやを分からないアテンダントにサーブされてもという感じが否めない。まあ文句を言うほどのことはないので黙っている。今回はANAが良く乗せているマルゴーの銘酒シャトージスクールの2011年を頂いた。お腹が落ち着くとベットメイクをお願いして昼寝となる。大体5〜6時間寝ると目が覚め、しばらくしたら2度目の食事を頂くのだが、いつものように和定食に白ワインを飲む。今回は珍しくスイスヴァレー地方のアミューユ種の白があったのでそれを楽しんだ。スイスワインは隠れたる銘酒だ。和定食の納豆に海苔、卵焼きに大根おろしと良いツマミになるのが嬉しい。貧乏人のささやかな楽しみである。ご飯も良い米を使っている。昔は微温いお茶やコーヒーしかサーブ出来なかったことを思うと隔世の感がある。今はコーヒーも熱く、美味しい。12時間のフライトも苦もなく過ごすことが出来る。今回は乗り継ぎなのだが、ラウンジも快適なのでゆったりと時を過ごせば良い。4時間は少し長い感じはするが、残りは3時間弱のルフトハンザフライトにてリースリングを頂いてうとうとしていると最終着陸態勢のアナウンスだ。深夜着でパスポートコントロールも一瞬で通過、ホテルバスをバススタンドの電話で呼んで空港ホテルに向かった。ここはアンカラである。好戦的な野蛮人の集まりである西欧を後追いしてきた日本人にはイスラムは理解の外にあるのだが、西欧と対峙してきたトルコは世俗化により、資本主義下の経済成長を目指し、紆余曲折を経ながら、地域の経済大国化に成功した。ただイスラム圏では人気のあるエルドアン大統領はイスラムへの回帰を打ち出している、最終的には政教一致イスラム大帝国のカリフを目指している節があり、核を保有しているはずのユダヤの国イスラエルシーア派ペルシャの末裔イラン、乱暴者サウド家サウジアラビアと地域戦争がいつ起こってもおかしくない情勢にある。トルコがというよりエルドアンが地域をイスラムでまとめることが出来るか地域の経済成長は彼に負うところ大きいと思う。ただ極東同様に白い野蛮人が覇権は渡さないと介入を続けるのだろう。出張中は日本のビジネスホテルと違い治安の問題もあるので高級ホテルの部屋に泊まるのだが、ここでも自分が如何に貧しいかといつも認識させられる。日本のオークラで週末を過ごしベルエポックや久兵衛で食事をし、ゆったりした時間を過ごしても20万円程度あれば十分だが、海外の超高級ホテルでは一桁金額が違うのでホテルでは飲まず食わずとなる。国際会議の会場となり、そういうホテルに泊まり、パーティーとか食事会があると始めて高級感を味わうことが出来る。富裕層からしたら貧しい人間は哀しいものなのだろうが、不幸とは思っていない。そこまで卑屈ではない。自分は自分であり、今年も自分なりに生きていくしかない。

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